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先日海外版の遊戯王(TCG)での新リミットレギュレーションが発表され、その内容は日本でも注目を集めました。
その規制改定というのがいくつかの禁止カードが制限復帰するというもので、中には登場から禁止カード化までが非常に速かったことでも有名な「EMモンキーボード」も含まれていました。
そこで今回は「EMモンキーボード」について改めておさらいし、日本版の遊戯王(OCG)で制限復帰する可能性などについて考えていきたいと思います。
「EMモンキーボード」について軽くおさらい
ペンデュラム・効果モンスター(禁止カード、2023年7月1日から制限カード)
星6/地属性/獣族/攻1000/守2400
【Pスケール:青1/赤1】
「EMモンキーボード」の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンに「EM」カードが存在しない場合、このカードのPスケールは4になる。
(2):このカードを発動したターンの自分メインフェイズに発動できる。
デッキからレベル4以下の「EM」モンスター1体を手札に加える。
【モンスター効果】
(1):このカードを手札から捨てて発動できる。
手札の「EM」モンスターまたは「オッドアイズ」モンスター1体を相手に見せる。
このターン、そのモンスター及び自分の手札の同名モンスターのレベルを1つ下げる。
まず初めに「EMモンキーボード」はどんなカードで、なぜ禁止カードとなったのかについておさらいしていきます。
「EMモンキーボード」はレベル6・地属性・獣族のペンデュラムモンスターであり、
手札の自身をコストに手札の「EM」モンスターまたは「オッドアイズ」モンスターのレベルを下げるモンスター効果、発動したターンにレベル4以下の「EM」モンスター1体をサーチするペンデュラム効果を持ちます。
重要なのがペンデュラム効果であり、このカードをペンデュラムゾーンにセットしたターンにノーコストで制約もなくレベル4以下の「EM」モンスター1体をサーチできるため、その後の展開や更なるアドバンテージ獲得を図るための起点や中継点として活用できます。
特に「EMドクロバット・ジョーカー」とは相性が良く、召喚成功時にサーチ効果を持つあちらとこのカードは相互に引き込み合えることから安定してデッキを回す上で貢献してくれます。
「EMドクロバット・ジョーカー」の他にもこのカードのサーチ先の候補としては、ハンドアドバンテージを稼げる効果を持つ「EMペンデュラム・マジシャン」や「EMリザードロー」が挙げられます。
上記のように使いやすいサーチ手段として利用できるこのカードは、「EM」デッキにとってデッキの安定力を上げられる優秀なカードと言えます。
またこのカードの便利な点はそれだけでなく、上記の「EMドクロバット・ジョーカー」「EMリザードロー」とセットで別のテーマデッキに出張採用することも可能です。
出張セットの具体的な運用法としては、手札から「EMモンキーボード」をペンデュラムゾーンにセット→
「EMモンキーボード」のペンデュラム効果で「EMドクロバット・ジョーカー」をサーチ→「EMドクロバット・ジョーカー」を通常召喚→
「EMドクロバット・ジョーカー」の召喚成功時の効果で「EMリザードロー」をサーチ→「EMリザードロー」をペンデュラムゾーンにセット→
レベル2~5のモンスターをペンデュラム召喚→
「EMリザードロー」のペンデュラム効果で自身を破壊して1枚ドローが出来ます。
「EMモンキーボード」と「EMドクロバット・ジョーカー」の順番は逆でも良いですし、「EMリザードロー」のペンデュラム効果でドローしているため、結果的に「EMドクロバット・ジョーカー」+ペンデュラム召喚したモンスターを並べつつも起点とした手札1枚分の補充ができました。
ちなみにペンデュラム効果の有用性が注目されがちな「EMモンキーボード」ですが、100%ペンデュラム効果しか使われなかったというわけでもなく、レベルが6なのを活かしてランク6エクシーズの素材として使われることも度々ありました。
「EMモンキーボード」がなぜ禁止カードになったのかですが、前述したように「EM」デッキでのキーカードであるのはもちろん、出張セットとしても優秀だったためです。
当時「EMモンキーボード」の登場により、「EM」テーマと「Em」テーマの混合構築(通称「EMEm」デッキ)は大会環境を埋め尽くさんばかりの大活躍をするようになりました。
それを受けて次のリミットレギュレーションでは「Em」カードが複数規制されることになり「EMEm」デッキは大幅な弱体化を受けましたが、今度は「EM」テーマと「竜剣士」テーマの混合構築(通称「EM竜剣士」デッキ)が大会環境を席巻することとなりました。
環境を一色にしてしまうという問題を起こした「EMEm」デッキと「EM竜剣士」デッキ、そのどちらでも「EMモンキーボード」がキーカードとなっていたことは誰の目にも明らかであったため、程なくして元凶を断つ形で「EMモンキーボード」が禁止カードに規制されたというのが主な経緯です。
ちなみにこの時の規制改定では、「EMモンキーボード」と同じく「EM」テーマのキーカードとして使われていた「EMドクロバット・ジョーカー」と「EMペンデュラム・マジシャン」に加えて「竜剣士ラスターP」や「竜呼相討つ」なども制限カードとなっていたりと、どれほど「EM」テーマひいては「EM竜剣士」デッキが危険視されていたかを表しています。
「EMモンキーボード」が海外で制限復帰したが、日本で復帰できる可能性は?
OCGでの制限復帰できるか考えるにあたり、「EMモンキーボード」がTCGで制限復帰できた理由について推測していきます。
まず第一に規制された当時との環境の違いがあります。
ルールが変わったことによりペンデュラム召喚自体が弱体化したこと、新しく強力なテーマデッキが多数登場していること、「EM」デッキが長らく大会環境で活躍していないことなど、「EMモンキーボード」が規制された当時と現在の大会環境は大きく変わっています。
確かに「EMモンキーボード」はシンプルなサーチ効果を持つ優秀なカードですが、昨今の大会環境で活躍しているカードと比べれば、「EMモンキーボード」の性能はそこまでずば抜けたものではなくなっているようにも思えます。
その他にもTCGとOCGでのリミットレギュレーションの違いがあります。
ペンデュラム召喚を強力にサポートできるカードとして登場した「ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム」というカードがありますが、その使い勝手の良さなどもあってTCGでは既に禁止カードに規制されています。
「ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム」が使えると使えないとでは、過去活躍していたペンデュラムデッキのキーカードを規制緩和するということの意味合いが異なってきます。
これらを踏まえてOCGで「EMモンキーボード」が制限復帰できるかどうかですが、個人的には可能性はそこまで低くないように思います。
前述したように「EMモンキーボード」が規制された当時とは環境がかなり変わっており、「EMモンキーボード」の強さも最近の大会環境の上位で活躍しているようなカードと比べればそこまでカードパワーに差が無いようにも感じます。
OCGでは「ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム」が使用可能であるというのが懸念点ではありますが、「EMドクロバット・ジョーカー」や「EMペンデュラム・マジシャン」が制限解除された今でも「EM」デッキまたはその混合構築が大会環境で一際活躍しているという話も聞かないので、「EMモンキーボード」の制限復帰だけならそう大きな変化にはならないような気もします。
とはいえ「EMモンキーボード」は「EMペンデュラム・マジシャン」と合わることで、同名モンスターをサーチして次のターンのアドバンテージ獲得源としても使うという運用もできたため、仮に規制緩和されたとしてもしばらくの間は制限復帰で様子を見ることになりそうではあります。
リミットレギュレーションの違いがあるとはいえ、「EMモンキーボード」を制限復帰させたTCGの今後の動きを見てからOCGで制限復帰させるかどうか考える、というのも十分あり得る話かと思います。
まとめ!
海外の遊戯王TCGで「EMモンキーボード」が制限になったことで話題になりましたが、正直な話をすれば、近い将来、日本の遊戯王OCGで「EMモンキーボード」が復帰になる可能性は十分に高いと言えます。
復帰が考えられる理由としては、現在の遊戯王OCG環境では既に、優秀なサーチ効果を持つカードが多い上に、現環境での「EM」はペンデュラム弱体化の影響もあり、当時ほど凶悪なテーマではありません。
個人的には純「EM」デッキを組んで楽しんでいる立場なので、これを機に「EMモンキーボード」が禁止から復帰してくれれば、嬉しいというのが正直な意見です。
環境を支配し、「鬼畜ザル」と言われたり、アニメで登場した時にはネタにされたりした「EMモンキーボード」ですが、次のリミットレギュレーションで帰って来ることができるか、見どころと言えるでしょう。