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皆さんは遊戯王におけるインフレという言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
インフレは大会環境だけに留まらずファンユーザーにとっても深い関係があり、遊戯王OCGを楽しむ上でも大事なポイントになります。
そこで今回は遊戯王のインフレの意味やその歴史について紹介していきたいと思います。
遊戯王でよく言われるインフレの意味は?
まずインフレという言葉についてですが、経済の物価上昇などを意味する経済用語インフレーションの略です。
遊戯王におけるインフレというのは、性能の高いパワーカードや強力なテーマが新たに登場したことで他のデッキやテーマが相対的に弱くなってしまうという現象のことです。
そんなテーマやデッキが登場すれば大会環境を席巻することになるのは自明の理ですし、活躍が長く続けば続くほど大会ではミラーマッチ(同じテーマデッキ同士が対戦すること)が頻発することになります。
そうなると「対策カードを引けた方が有利になりそのまま勝利する」といった、運要素が強くなってしまうためカードゲームとして好ましい環境では無くなります。
大会環境の使用率を独占するほどの強力なテーマデッキに対し、それまで活躍していたファンデッキや違うテーマデッキではよほど相性が良くない限り、戦っても相手にならないほどの性能差がついてしまうのです。
こうなるとファンデッキや好きなテーマデッキで戦いたい・勝ちたいという多くのユーザーは、インフレテーマデッキだけでなく対戦そのものを忌避するようなユーザーも出てきてしまいます。
上記で挙げたものはインフレの極端な例ですが、ルール変更や新たな召喚方法の登場などによって確実に起こっているインフレもあります。
最近登場したテーマを主軸にしたデッキに対し、昔に使っていたテーマデッキをそのまま使うと歯が立たないということがほとんどです。
こういった最近の環境では勝つことが難しい昔のテーマデッキをユーザーは「インフレに置いていかれた」などと言います。
ルール変更や召喚方法の追加などによって対応力・回転力・展開力などの基準値が高くなってきているということであり、それを解消するために最近の遊戯王の環境に対応した性能を持つ新規カードを登場させることで既存テーマを強化するという動きが最近では特に顕著です。
これらを踏まえた上で遊戯王のインフレの歴史を簡単に紹介していきたいと思います。
遊戯王のインフレの歴史を軽く振り返る!
効果モンスターが主流化
遊戯王の初期では通常モンスターがメインであり、通常モンスター同士の戦闘やそれをサポートする魔法・罠カードを使うというのが主流でした。
しばらくして通常モンスターのステータスの平均値が上昇していくにつれ、様々な効果を持った効果モンスターが数を増やし始めます。
更に時代が進むと強力な効果と高い攻守を両立させた効果モンスターが登場するようになり、効果を持たない通常モンスターは必然的に採用されにくくなりました。
融合モンスターを駆使する戦い方が活躍
アニメ遊戯王GXが始まってしばらくすると、融合デッキ(今で言うエクストラデッキ)を活用するデッキが多くなりました。
「E・HERO」や「サイバー・ドラゴン」など強力な効果を持った様々な融合モンスターが登場し、大会環境でも活躍していました。
とはいえこの当時に大会環境で幅を利かせていた「カオス」は「サイバー・ドラゴン」の登場で更に強化され、火力と物量差で押し潰されてしまうデッキも多かったです。
シンクロモンスターの登場による遊戯王全体の高速化
アニメ遊戯王5D’sが始まり、チューナーモンスターと非チューナーのモンスターでレベルを足し算することでエクストラデッキから特殊召喚するシンクロモンスターが現れました。
シンクロ召喚をするためにはチューナーと非チューナーをフィールドに並べなくてはいけないこともあり、この辺りから特殊召喚効果を持つ下級モンスターや特殊召喚効果を持つ魔法・罠カードが非常に増えました。
これによって遊戯王全
体の高速化が進み、1ターンで出来ることが増えてきたことで多種多様な展開コンボが考案されるようになります。
エクシーズモンスターの登場によりカードパワーが上昇
アニメ遊戯王ZEXALが登場し、同じレベルのモンスターを複数体使うことでエクストラデッキから特殊召喚できるエクシーズモンスターが登場します。
初期のエクシーズモンスターは強力な効果や高いステータスを持っておらず、それ以前に活躍していたシンクロデッキの方が回転力や展開力においても強いという意見が一般的でした。
しかし時代が進むにつれ、
- 同じレベルのモンスターを並べるだけで良い手軽さ
- 除去や火力特化などの優秀な汎用エクシーズモンスターの増加
- デュエルを決めに行くほどの強力なエクシーズモンスターが登場
などによって大会環境もエクシーズデッキが主流になっていきます。
この時期に登場した「魔導」や「征竜」の強さはずば抜けていて、大会環境では参加者の内9割近い人がこのどちらかのテーマデッキを使っているということも度々ありました。
ペンデュラム召喚による全体的な展開力向上
アニメ遊戯王ARC-Ⅴが始まりペンデュラムゾーンにセットすることでスケールの間のレベルを持つモンスターを一度に何体も特殊召喚できるペンデュラム召喚が登場しました。
これによってシンクロやエクシーズなど自分フィールドにモンスターを展開する必要があったデッキは大きな影響を受け、スケールさえあればエクストラデッキから毎ターン蘇るペンデュラムモンスターを使ってシンクロやエクシーズを行うデッキが横行するようになります。
更には「EM」と「Em」の混合デッキや「十二獣」デッキなど、それまでの環境デッキを圧倒的に倒せるほどのアドバンテージ獲得能力と展開力を誇るテーマデッキ等が現れました。
ルール変更により弱体化されるデッキがある一方でリンクモンスターの登場による更なる高速化
第10期に行われたルール変更により、それまで活躍していたペンデュラムデッキなどのエクストラデッキのモンスターを複数体並べる戦術が使いづらくなりました。
様々なテーマデッキがルールによる弱体化をしたことで引退者が多く出ましたが、リンクモンスターのカードプールが増えていくにつれて遊戯王全体の環境は更に高速化することになります。
そもそもリンクモンスターは出しやすさと汎用性という点においてはこれまでのどの召喚方法よりも優れているため、汎用で尚且つ強力なリンクモンスターが増えていくことでリンクデッキが大会環境を席巻するようになりました。
第10期終盤では「超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ」や「リンクロス」等といったぶっ壊れカードも登場したりといったインフレが起こっていました。
更なるルール変更と既存テーマ強化の傾向によりある程度安定化
第11期に入りルールが変わったことで、弱体化していた融合・シンクロ・エクシーズが本来の力を取り戻したどころか相性の良いリンクモンスターの併用により更に強くなりました。
第10期終盤に登場したぶっ壊れカード達も程なくして禁止カードとなり、大会環境はこれまでになく長い群雄割拠の時代を迎えます。
昨今のパックの内容を見れば分かると思いますが、第11期では既存テーマの強化に力を入れているため一つのテーマが飛びぬけてインフレするというよりは、様々なテーマの性能が底上げされる形でのインフレという印象を受けます。
まとめ!
遊戯王のインフレの歴史について紹介してきましたが、遊戯王に限らず、カードゲームでは、必ずと言っていいほどインフレの壁に当たります。
最近では、過去のテーマの強化など工夫されていますが、それでも新弾やリミットレギュレーションの影響で、「それまで強力だったテーマが、見る影もない」と言うことは仕方ない部分ではあるかと思います。
インフレは避けられない部分はありますが、遊戯王は日々面白い新規テーマや強化テーマが登場しているので、今後の遊戯王に期待していきたいところです。