2020年4月1日から適用される新リミットレギュレーションの情報が公開されたと時期を同じくして、2020年4月1日から適用されるルールの裁定変更がありました。裁定変更とはどんな物のことか、
今回の裁定変更の内容はどんなものかを解説していきます。
目次
遊戯王の裁定変更ってどういうもの?
知っての通り遊戯王のルールは誰でもすぐに分かるというほど簡単ではありません。
メインフェイズやバトルフェイズ等の分けられたフェイズの中にも更に細かく区分がされており、フェイズの開始時や攻撃宣言時にダメージ計算時等のタイミングの違いも理解するには慣れと知識が必要になります。
上記のような細かなルールに加えて使用されるカード効果も複雑なものが多く存在し、発動タイミングやチェーンの組み方といった効果処理が行われます。
細かなルールの上で複雑な効果同士の処理が行われることも珍しくなく、その難しさから玄人でも混乱してしまいがちです。
「このタイミングでこのカードは発動できるの?」「チェーンを組まれたこのカードの効果は最終的にどうなるの?」といった風にデュエル内で生まれた疑問を解決するのに役立つものこそが裁定です。
裁定変更には大きく分けて2種類あり、1つ目は規制緩和のためのエラッタ(効果テキストの変更)です。
効果テキストが変わる以上当然それまで通りの裁定ではなくなるため当然と言えば当然の変更です。
2つ目は上記のような特定の状況下で行われる効果処理等の内容の変更です。
過去変更された物で例を挙げると「ライトロード・ハンター ライコウ」は何度か裁定が変わったカードであり、変更前はリバース時の効果による破壊と墓地へ送る処理は同時でなかったためチェーンを組む際にややこしかったのですが、現在では破壊と墓地へ送る処理は同時で尚且つ破壊効果を使用するかどうかは効果処理時にプレイヤーが選択するといった裁定に変わりました。
以上のように裁定変更はルールにも深く関わることであり、裁定変更の内容によっては一部のカードの使いやすさ等も変わるため変更された際には確認しておくことが肝要です。
2020年4月の裁定変更の解説と考察!
今回のエラッタに関する解説は省略させていただきます。
エラッタについてはコチラで解説しております!
エクストラデッキに裏側表示でバウンスされた場合
『このカードがフィールドから離れた時(または場合)~』という効果はエクストラデッキに裏側表示でバウンスされた際には発動できなくなりました。
つまるところ『このカードがフィールドから離れた時(または場合)~』という効果を持つ融合・シンクロ・エクシーズ・リンクモンスターはバウンスされた際にはその効果を発動できないということです。
現存するカードで該当するのは約30種あり、これらを利用するデッキにとってはそこまで珍しくはないケースなので気を付けましょう。
例を挙げるのであれば、話題にも上がりましたが「E・HERO アブソルートZERO」が「強制脱出装置」の処理が良い例かと思います。
効果の発動前に、発動する場所に存在しなくなったカードの効果の発動
効果の発動前に、発動する場所に存在しなくなったカードは例え強制効果であっても効果を発動出来ないという裁定になりました。
この裁定変更で重要なのはあくまで“発動前に”という所です。
ですので「クリッター」の効果発動に対して「D.D.クロウ」をチェーン発動して墓地の「クリッター」を除外しても「クリッター」の効果は適用されます。
「クリッター」「死のデッキ破壊ウイルス」「D.D.クロウ」が例として挙げられるように、「D.D.クロウ」で「クリッター」の効果発動を阻止出来ているのは「D.D.クロウ」を「死のデッキ破壊ウイルス」に対してチェーン発動しているためです。
「死のデッキ破壊ウイルス」の効果処理が終わって初めて「クリッター」は効果を発動できるため、その間(つまりは「クリッター」の効果の“発動前”)に「D.D.クロウ」の効果処理が割って入ることで「クリッター」は発動する場所に存在しなくなってしまうということになります。
召喚・特殊召喚が無効になったターンと制約効果の影響
『この効果を発動するターン~~しか(もしくは以外のモンスターを)召喚・特殊召喚できない』という制約のカードがいくつか存在します。
それらは制約内容に反するモンスターを召喚・特殊召喚したターンは発動できないというのがルールなのですが、今回の裁定変更によりその召喚・特殊召喚が無効にされた場合は制約を持つカードを発動できることになりました。
例を挙げると「青き眼の乙女」の召喚・特殊召喚が相手の「神の宣告」で無効にされた→
このターンはまだ「青眼の白龍」以外を召喚・特殊召喚していない→
「青き眼の激臨」は発動出来る!
となります。当然ですが「青き眼の乙女」の召喚・特殊召喚が無効にされなかった場合はそのターン中「青き眼の激臨」を発動出来ないことは変わりません。
つまりは召喚・特殊召喚が無効になった場合、実際に召喚・特殊召喚が行われなかったため制約には引っかからないということです。
1ターンに1度しか特殊召喚できないモンスターについて
モンスターによって「〇〇は1ターンに一度しか特殊召喚出来ない」という制約のあるモンスターカードがあります。
例を挙げるのであれば「HSRチャンバライダー」や「超戦士カオス・ソルジャー」はこの制約を持っており、ルール改定前ですと「神の宣告」などで召喚が無効になったターンにもう一度これらのモンスターを特殊召喚することは出来ませんでした。
しかし、新ルールでは「神の宣告」でこれらに該当するカードの召喚が無効になった場合、例えばですが「HSRチャンバライダー」の召喚が無効になったターン召喚はカウントされない扱いとなるので、2体目の「HSRチャンバライダー」を特殊召喚することが出来ます。
発動後モンスターになる永続罠カードについて
発動後にモンスターとして扱う永続魔法・永続罠カードのモンスターがルール変更に該当します。
今までのルールでは5枚魔法・罠ゾーンの埋まった状態で「メタル・リフレクト・スライム」や「アポピスの化身」などのカードを発動した場合、そのカードはモンスターゾーンに特殊召喚されるものの、そこに置いてあった「アポピスの化身」などが置いてあったゾーンに新たに魔法・罠カード置くことは出来ませんでした。
新ルールでは「アポピスの化身」や「メタル・リフレクト・スライム」が特殊召喚された場合、魔法・罠ゾーンが1箇所開く状態扱いとなるので、新たに空いたゾーンに魔法・罠カードをセットすることが出来ます。
今まではモンスターゾーンと魔法・罠ゾーンの2つを占領していましたが、これからは1箇所のみを使う形になるので、これらのカードを使うデッキにとっては朗報です。
遊戯王の裁定変更についてのまとめ!
今回は2020年4月に変更になる裁定の変更点の紹介でしたが理解出来たでしょうか?
今回の裁定の変更点は全部で5箇所(2020年4月に入るエラッタは含まない)ですので、最初は覚えるのが大変という方もいるかと思いますし、なんだかんだ言ってる自分も実はその1人だったりします(笑)
最初は慣れない部分も多いかと思いますが、今回の裁定の変更は良い意味でパワーバランスの調整となったので、個人的にはプラスに受け入れていきたいところです。